研究用検体とワシントン条約
医療関係の研究は世界的な規模で行われるも多くあり、情報交換の為に研究用検体を国際移動することがよく行われています。
研究用検体が生物由来の物に関しては、国際移動する場合にワシントン条約該当種となるものも多くあり移動には注意を要します。
企業活動として行う以上、コンプライアンス順守は当然に求められるものでありますので、適切な手続きをへて検体の送付を行うことが必要です。
各種の検体がありますが、想定されるワシントン条約に該当する検体は細胞などが多く見受けられます。
一例として、ニホンザル由来の検体について考察します。
ニホンザル由来の検体とワシントン条約許可
ニホンザルはわりと身近な動物であり、日常的に見かける地域も多いかと思います。霊長類であり、人間に近い種であるため研究対象となること多いようです。
日本の研究機関から、検体として海外に送る場合は例え神経細胞などごく少量であったとしてもニホンザルはワシントン条約の対象種となっている為に税関で輸出時にワシントン条約の許可書(CITES=サイテス)と輸入承認証の提出が必要となります。
また、ワシントン条約の許可書は外国の税関での輸入時にも求められますので、日本輸出時に返却されたワシントン条約許可書は確実に管理し、送り届ける必要が有ります。
これらの手続きを行っていない場合は、税関で輸出許可とならないため海外へ送付することが不可能となります。また、誤っておくってしまった場合は、大きなペナルティを受けることも考えられます。
ニホンザル由来の検体のワシントン条約許可申請
ニホンザルはワシントン条約においてどの様な位置づけになっているかといいますと、附属書Ⅱに掲載種となっております。
附属書Ⅰに掲げられる種ではありませんので附属書Ⅱに掲載種となり、ワシントン条約許可申請と輸出承認申請を受けることが必要となります。
また、動物由来のため、相手国により動物検疫所で証明書発行が必要である場合考えられますことも考慮しましょう。
PRIMATES《サル目(霊長目)》 Apes, monkeys(サル類)
PRIMATES spp. サル目(霊長目)全種 [Apes; Monkeys; Primates] (附属書Ⅰに掲げる種を除く。)